「 ナナメ。 」/PULL.
 
んように、誰にも、外の誰にも聴かれませんように、そして、どうか向こうに辿り着けるまで、この胸の撥条が、弾け飛んでしまいませんように、いっしんに祈った。

 目を開けると、彼らの七つの目はもう斜めではなく、傾いていた。窓の外は捩れるように垂直に傾き、ごうごうと流れ渦を巻き、混濁している。
 ぎっ。また音が、した。












           了。


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