美術応援団/佐々木妖精
もっちりとしたホカホカの生地であり
肉まんそのものなのだから
混乱する必要は
ない
対象からボケた本質などないのだから
書けばいいんだ
ただ河童を見て
書けばいい
感じたこと
考えたこと
今迷っている表現
一度は否定されてしまったこと
それらはきっと
どこかで正しいのだから
自分は正しいことをしていると
自信を持って欲しい
ゲルニカは河童が全てだと
俺も自信を持っている
そうして何よりあのクモの巣の美しさは
邪気のないクモが
重力と共同制作した
無垢な作品であることも
ほら
うつろいながら
人々を看守っている
通りすがりのチェシャ猫が
それでいいんだよって今、囁いた
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