靴の下/紫苑
 
証明しようとしていて

ベルトコンベアーは容赦なく廻り続けていて

よく見れば
死体たちが遺した痕がびっしりと
足下を埋めていて

僕はその上を歩いているのだと初めて気付く

夥しくも極彩の誇りを湛えるその痕は
端に陳列している死体よりも
其処に居たのだということを主張していて
僕はそれらを一歩一歩靴の裏に張り付けながら生きていて
そうして僕の痕を重ねるんだね

そうして僕は痕で高くなった靴で
時間という名のベルトコンベアーの上に乗って

痕の上を

命の上を歩く

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