拙写/佐々木妖精
つまりわたしは苦手なのだね
この、人と争うということが
漢字を書くと
はなまるとばつが生まれ
走ると
一着とビリに分かれるということが
途方もなく苦手なのだ
誰かに尻で叩き散らされるのも
誰かを蹴落とすのも
椅子とりゲームは
椅子とり競争で
席を取れ
席を取れと
玉子焼きを食べた人は
叫ばなければならない
席を取れ 席を取れ
そう叫ばなければ
人間は進歩できないらしく
先生も推奨する
わたしはそれが
非常に苦手であるので
玉子焼きを食べたのに
食べてないことにする
席から動かないのがズルならば
地べたに
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