だれが/竹節一二三
 
わたしをねらう
そこにだれかいるの
雲のうえにだれかいるの
ロザリオをひたいに乗せてバランスをとりながら
雲のうえの星をみる

のどになだれ込む川は
わたしの一部となって海へむかう
やがてわたしは海の一部となり
蒸発して雲になる
雲から雲の上の誰かに雨にされて
地上にまいもどり
また
川を飲み込んで海に出る

だれがそこにいるの

今日はなにを食べようか
お風呂の匂いはなんだろう
さぼてんは芽を出したか
外灯は今日もついているか
こまごましたことたちはわたしの一部
わたしはだれかの一部
わたしはだれかで
だれかはなにか
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