「 おしまいのひ。 」/PULL.
れ、
擦れ合うごとに、
きみとぼくとぼくらの憎しみは高まって、
ぼくらは激しくて、
あたたかくて、
熱く、
なった。
熱くなって、
ぼくらは発火した。
火になった。
火は瞬く間に燃え広がり、
ぼくらの死体を飲み込んだ。
火がつくと、
ぼくらはひとつだった。
ぼくらはひとつの火になって、
どこまでも燃え広がって、
火の海の中を、
あたたかく、
燃えた。
ぼくらは燃えた。
おしまいの火、
ぼくらはあたたかかった。
ぼくらはひとつだった。
だけど空は凍りついていて、
冷たく、
降りつもる灰たちが、
燃え尽きて、
ゆく、
ぼくらの罪を、
しんしんと見つめていた。
了。
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