「 おしまいのひ。 」/PULL.
その日、
ぼくらは冷たかった。
ぼくらはいつも凍えていて、
身を寄せ合って、
暮らしていた。
あたたかくなるように、
少しでもあたたかくなるように、
ぼくらはぼくらをあたため合って、
生きていた。
だけどぼくらは、
憎しみ合っていた。
ぼくらはぼくらをひとつも好きになれなくて、
みんなでみんなを憎しみ合って、
あたたかさを奪い合っていた。
そうして、
ひとり、
ぼくらは凍えて死んで、
ひとり、
ぼくらは少なくなった。
ひとり、
少なくなってぼくらは、
ひとり、
あたたかくなくなった。
ひとり、
あたたかくな
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