ウェンディ/んなこたーない
ウェンディ、きみの深夜のブラウン管では、
空を飛ぶはずの円盤が、空を飛ばずにただの鉄製の円盤となって、海上をひたすら旋回している。
海上をひたすら旋回している。
ウェンディ、Wend your way、
きみの片翼の天使の模造は、海上をひたすら旋回している、深夜のブラウン管の向こうで。
深夜のブラウン管の向こうで。
W−E−N−D−Y、で、ウェンディ。
きみの愛は哀しみに終わる、集積回路の高密度さで、MidsummerのMurderのように。
MidsummerのMurderのように。
ウェンディ、ぼくの深夜のブラウン管では、
きみが1万フィート上空で落とした、きみの背中の飛べない羽が、ぼくの頭上へと旋回してくる。
ぼくの頭上へと旋回してくる……
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