ピエロがパントマイムをやめた時に/tatsuya999
枯葉舞う木々の間を抜ける
空は青く澄んでいる
ただ青く 雲も無く 澄んでいる
肌寒いのに思い出すのは夏の海
生まれ育ち たくさんの大切なものをくれた町
それを壊して逃げだし ここに来た
何がきっかけだったかは忘れた
なのに心を絞めつける何かは
未だに捕らえて離さない
自分を見失ったというべきか
理由を忘れた自分は
手放し手放され全ては一人芝居のピエロ
離れて欲しくないのに
突き放し 避けた自分
自分で作り上げた物語を
未だに一人で演じているのか
凍った心はそのままに
もしも
もう一度会えたなら
僕はこの物語を終わらせられるだろうか
忘れな草のように儚く在りたくはないから
間違えたけどまた作り直したいんだ
自分と世界で
物語を
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