宵闇気取りでコンニチハ/
プル式
なんでもない一日をたどる
記憶の川に浮かぶ小さな灯りが
ゆらめきながら
ゆっくり
ゆっくり
流れ行く
ぽぅっと浮かんだ思い出は
やさしい橙色をしていた
『君の残したティーカップ』
クリームケーキにチョコチップを散りばめて
口付けはあまい味で溶けていった
僕は紅茶を入れるのが随分うまくなったんだよ
まだ君ほど綺麗な色は出せないけれど
だからもうケーキだって甘いって思えるよ
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