Religionについて/ケンディ
 
再生産している当の担い手になってしまっていることに眼を向かせようとした。
カントがいわばReligionのRe-の部分を変革させ、近代化に沿った新しいRe-ligionのモデル(理性)を形成したのに対し、時代を遡ってみると、Re-ligionの-ligionを微調整しようとする風潮があった。その代表者はルターだった。ルター以前の中世キリスト教は、平信徒に対して命令(praecepta)のみを守るように説いてきた。ルターはこの風潮を転換した。ルターは神と信徒の隔絶を強調しながらも、日々の規則的で清廉な生活が救済の必要条件であることを説いた。これは別の視点から見れば、神との負債関係(-ligion)
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