Religionについて/ケンディ
ionの成立に含まれていると考える。自己の神に対する関係(ligature)は負債の関係である。以上のような語義の分析を度外視しても、衆生が神に対して莫大な債務を負っているという観念が、ユダヤ‐キリスト教には絡み付いていることは、たとえばニーチェに指摘されてきたことだ。言葉は人の心が結晶化したものである。これを忘れてはならない。人の心が結晶化して言葉となり、そして今度は結晶化した言葉のほうが人びとの心に影響を与える。そしてまた人が言葉に影響を与え、言葉はある程度一定の形で存続する。以上要するに、人と言葉は相互循環的に再生産しあっている。したがって以下では宗教を単にキリスト教や教会の動向という意味で
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