DEATH US NEVER DO PART/池中茉莉花
 
「あと1分」 
無骨な声が響きわたる 
モニターは緑の直線を描いている 
注射痕で赤紫に染まった
骨ばかりが目立つ手に 
わたしはくちびるを そっとつける 
将のなまぬるい肌が微かにわたしを跳ねかえす 
眠りつづける 彼のまぶたが男の指でぐいっと開けられた 
「お亡くなりに」 
そのひとことで 
たったそれだけで 
将は死んだことにされた 
わたしは 自分の脳細胞が  
揺れながら麻痺してゆくのを 
耳たぶで感じ・・・ 
・・・ 
おぼろげに霞んだ女の顔 
その輪郭を辿ってゆくと 
将の眼 
ちがう 義姉さんだ 
「素
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