いつもただ考える/nm6
逆説的な面積があって、広いなと呟いてはその鋭利な切れ味に切迫して、瞬間的な不安を揉み消して立ち上がる。それでもジョグダイヤルとビールに耽る夜。俯して突然背筋をはじめれば繰り返し上下する限界に、手が届くことと手に入ることの圧倒的で甘美な違いについて考える。それもこれもあれもどれも誰も彼もがすべて嘘で、そう、ただぼくらは酔っているだけなのかもしれない。
あ。ああ。
そう、この感じだ。これなんだ。
今だ。
まさしく。まさしく今だ。
今。この、今。
今ならば、ちょっとだけ、
ほんの少しだけ、死んでもいいと思う。
強い時間に埋もれるほど離れては胃
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