花葬/渡 ひろこ
 
          水に挿した青磁器を彩る

          切り裂かれた花々たちが

          私に現在(いま)の終わりを告げる

          過去の栄華を断ち切るように

          未来の希望を打ち砕くように

          舞い散る花弁は艶やかに

          最後の極みを魅せて逝く

          ー始まりは終わりへの長い旅ー

          その一瞬の刹那を鮮やかに演じて

          美しい道標を示して消えてゆく

          旅路の果てが見えたとき

          散りゆく花弁を浴びながら

          私も天に筆を返そう









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