儚さ重視の恋人達/哀詩
もしもあたしに意味があるのなら、
あたしは泣いてしまいたい。
あたしの意味はあなたなのだと
豪語したあの日が狂おしくって、
(苦しくって、息が、小さくなって)
この瞳には濁った水滴がどうにか、と
持ちこたえているだけ。
待っていたものはいつまでも届かなくって、
そこに永遠を確信してしまえば
世の中に少しの望みが生まれるというものだ。
(しかし愛が永遠と証明できた人はいないのだろうか。)
永遠はそこらじゅうに転がっている。
儚さ重視の恋人達は、
それにすら気付かないで
色々なものを重ねては奪い合ってみるのだけれど
(欲しいものすら分からないで満たされる
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