落ちない太陽から、逃げる/水町綜助
た?
してないなら
帰るといいよ
日陰でゆっくりするといい
なんでなら
追っかけていた太陽は
一瞬で俺なんかを消す
あたりまえだけど
これだけ離れた場所でさえ
俺たちの肌を焼いて
茜色に焼いて
逸らさずに見つめれば
白く失明する
なんかを失う気がするんだ
あれを追うと
だから俺は逃げることにしたよ
根を生やして
向日葵なんかにならないで
きれいすぎるから
みつめつづけると
うごけなくなるから
太陽が
ころすから
だから
逃げる
影を追って
季節を走る
とても速く
とても速く
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