夏、夕時七まぐれ/哀詩
 
 

右斜め前の一滴、
夕暮れが目に入って、
(泣いている訳じゃない。)

その左手はあたしのじゃない。
君の右手には、あたしの、
(で、あって欲しかったのに)


夕立があたしを笑っている。
君は微笑んでいる。
(、誰、に?)

鞄持って頂戴 なんて
(言える関係ではない。)

左手はぽっけに入れてしまおう。



夏、夕時七まぐれ、
(あなたはあたしの後ろで、笑っている。)

 

戻る   Point(0)