夜の軋み ★/atsuchan69
滲んだ肌に香水が匂う、
視覚からこぼれた淡い影たちが
発せられない声とともに
音もなく、永遠へとむかう
冷たい未来の交じった
柔らかな過去の感触がまだある
つい今しがたも、
昨日も、
生まれる以前も
窓の景色はいつも夜だった
ふたたび自由の風をおこし
燻ぶった愛を烈しく燃やすと、
忽ち、大地の裂けた下腹部は潤み
女は深淵の火照りをあらわに孕んで
嘘のない黒い瞳孔を大きく見開き、
いくども果て、
そしていくども痙攣した
滑らかな唇の
卑猥かつ命の凛々しさ
唾液に濡れて
濃密な舌に絡めた、
アノ感触がどうしても消せない
背く愛ゆえに列車は軋み
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