消化する過程/ミゼット
 


女はどこにでもいるありふれた生き物なので、居ようが居まいが今更関係ないのでした

全ては完璧だと私は思いました

けれども私は鼻炎だということをすっかり忘れていたのです

ある日、バスの中でくしゃみをした拍子に今やオオサンショウウオとなったサンショウウオは頭の中から吹き飛ばされ、花粉やハウスダストと一緒に前の席の小母さんの髪にくっつきました

私は気づかぬ振りをして下車し、今に至ります

かわいそうな女は(所詮居候の身ですから)恨み言の一つも言えずに身体中を探し回り、一番サンショウウオの感触に似ていた舌を抱きしめてその裏でしくしく泣いているのでした

理由

私の
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