期限/
 
目を閉じて願うものは
まぶたの裏側で
こぼれ去ってしまうから
君に触れて
言葉にして
後悔と一緒だとしても
確かに刻んでおきたいんだ

さざ波のように
押し寄せる気持ちの前で

変わってしまうことや
無くしてしまうことを
ひどく 恐れ
気付かぬままに騙して
捨て去ってしまおうと
ひどく 足掻いた

抱えきれないほど
大きくふくらみ
内側からから
侵蝕していく速度に
到底
抗えるはずもなく

ありのままに
生きるなんてことが
これほど
困難なことだったなんて

目を閉じて願うものに
確かなことなんて
一つもないのだから
君にくちづけて
名前を呼んで
約束された別れだとしても
この手を握りしめていたいんだ
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