甲殻類/キメラ
わからせてくれるの
凍える足下
感覚を失うまで
力一杯踏みしめて
生きる
いきること
息絶えるまでの吹雪に
すべてを
あらい流してくれるの
やっと笑えた
オーロラの下
はじめて中心を自覚し
あたらしい時間を刻み
ましろでましろな
先に見える風景までをも
生きる
まるで昔話
こんな最果てでは
車を止める信号は生まれない
あの日
泣きながら
倒れまいと立ち尽くして
ねえどうして
街角の
零れるような完璧な絶望
こごえ
凍える
あたたかいよ
ずっと探してた
ああ
数時間に
この道なき道を踏みしめよう
僕の
ずっとここに向かっていた
辺境の氷河
オーロラの
甲殻類
涙の
凍ってしまう
最果てのメロディーで
空を仰いだなら
そんな哀れむ歌はやめてくれ
ここが
人生
みんな帰ってくれないか
一瞬
一瞬でいい
実感が欲しかっただけ
だ
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