あの日の光/rue
 
アスファルトの砂漠の上
愛するなんて知らなかったあの頃は
近づくと伝わらなくて、離れると見つめ合う
恥ずかしさが交錯した15歳(フィフティ−ン)
たわいも無い戯言に笑い合い
生きていることに矛盾を感じなかった

クラスが変わっても引き合い
卒業しても、何時かの街角で、ばったり出会った

けど、もう話すことはなかった

新しい恋に向かい
僕らは十字路で
背中を向けて歩き出した

君のくれた最後の言葉

「結婚したの」

おめでとう、と言っても、其処に心は無く
僕はわがままに、今、寂しいんだ、と
愛はとっくに冷めているのに

取り残された僕はただ
「あの頃はよかったね」、と

僕はわがままに
あの日海辺で見た光を忘れないために、と
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