Dead or Smoke 〜逃亡者〜/虹村 凌
追跡者」の攻撃を受けて、満身創痍の状態だった。
長くは無いだろう。
俺は煙草を取り出すと、峰男の口に突っ込んでやった。
「おいセヴン、これは何だ?」
「あ?決まってんだろ。七星だよ。」
「ちッ…娑婆い煙草吸ってんじゃねーよ。
男は黙ってピースだろ!」
「うるせぇ。貰い煙草にケチつけんな!」
やっとの事でライターに火がともる。
しかし、ジッポの芯が飛んだ音を聞いた。
「あー、やっちゃった。」
「もうしばらくは、火が無ぇや。」
二人で、黙って煙草を吸っていた。
言葉は要らない。ただ、二つの煙が立ち上るだけだった。
どのくらいの時間が経ったか
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