Dead or Smoke 〜逃亡者〜/虹村 凌
販売していた業者は片っ端から逮捕され、
実刑判決を喰らったまま、未だに塀の中から出てこない。
また、即座に「流動煙感知器」が全国に設置され、
隠れて煙草を吸う事もままならなくなった。
喫煙者は、それだけの理由で職を失い、
時には街からも追われた。
喫煙者達は団結し、新しい街を作ったが、
嫌煙家や非喫煙者達の過激派一派に迫害され、
その小さな街は次々と破壊されていった。
喫煙者達が行き着いた先は、未開の土地、
いわば日本のフロンティアであった。
独自に栽培した煙草の葉で、細々と煙草を作っては吸う。
おそらく、ここが最後の聖地となるだろう。
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