十三のつく日のふたり。/哀詩
 
 


十三のつく日にドアを開けて、僕は旅立つ理(ことわり)を告げた。
すると君は、
(しっているよ。)
と言って、かなしい顔をした。

十三のつく日にさよならを聞いて、わたしはかなしい顔になった。
するとあなたは、
(いってきます。)
と言って、わたしの髪をなでた。

君のくちびるから、吐息を感じていたら、
(あたしは明後日の日に旅立つよ。)
と君が言うから、
僕は知っているよ、と目を伏せた。

キスを置き忘れていくのを感じていたら、
(君より後に旅立ちたかった。)
とあなたは言うから、
わたしはいくらばかりか申し訳ない気持ちになった。

(あなたが
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