ラブアンドピース?いいやラブはピースをも駆逐するのかもしれない。/山田せばすちゃん
 
ひと」へのいまだ変わらぬ「愛情」が
>>ひとびとがそれらを望み続けるのは
>>永遠に手に入らぬものだと認めたくないから
という連に見て取れる。そう、おそらくは運動に挫折してばんばひろふみ/荒井由美の「いちご白書をもう一度」よろしく髪を切って就職して年を経た「あの人」=「夫」はいまだ内心で革命を諦め切ってはいないのだ。
このような「わたし」像を想起させることのできるほどに、この詩は「リアル」であると、そう断言することに俺は躊躇しない。

むしろ俺たちはこの詩にほとんど書かれていない「あのひと」の現在についてこそ詩的想像をめぐらせるべきかもしれないのだが、それはまた別の話になるのかもしれない。

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