組詩「風」 /
青の詩人
だけどわたしは それが見えない
見えないから 人はそれを
風 と呼んだ
風よ 風
もしもそこにいるのなら
その輪郭を 色を 形を
その匂いを 声を 肌を
どうか わたしに
わたしに
どうか
風は今も どこかを 吹きわたり
その存在に わたしたちは気づかない
気づいた
誰かがそう叫んで
それを言葉に
五線紙に キャンバスに
閉じ込めたとき
それはもはや
風では なくなってしまった
気づいた
気づいたら 去ってしまうことに
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