tank/
日向夕美
ンパンなんて止めておけば、――舌平目との相性は抜群だった
あれをスーベニアにするなんてどうかしていた。
あのシャンパンを口にするたび
君を思い出すなんて御免だ。
あんまり悔しくて、スポンジを力任せに擦りつける。
くるぶしまで浸った水が、波紋を広げていたけれど、構わず擦りつける。
あたしは魚になり損ねたので、その喉に刺さることすら許されない。
君は明日、この町を出て行く。
あたしはぽっかりとした浴槽で、少し跳ねてみる。
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