部活動にて/円谷一
 
した
停留所で降りると足の下で微かな風が吹き荒れた 足元の小石がコロコロと転がって車が通って風が吹いた アスファルトはカラカラに渇いていて 足で蹴ると虚ろな音がした 高校まで一直線だが殺風景な景色が広がっていた 通り道にある教育大の落葉樹だけが心を和まし それを見ながら歩いていき 通り過ぎると高校の落葉樹を見ながら高校まで歩いていった


親密なアスファルトを流し込んだ道の感触を確かながら真っ白な校舎を見上げながら楽器のチューニングの音色を聴いて玄関に入った 練習熱心な人がいるものだ 高い長い階段を上がっていくと突き当たりを左に曲がった先に音楽室があった ロッカーの上にはアコースティックギ
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