The Poetic Stigma/岡部淳太郎
た大きな括りの中に還元されてしまう、おそらく一生知り合うこともないだろう、ただの他人。だから、君が彼等について何ら知識を持たないのは当然である。
同じように、君は知られていない。誰にも知られていない。君が詩を書いていて、その詩がどんなに賞讃されようと、君がその詩の出来栄えに満足しようと不満だろうと、君は人々から知られることはない。君の詩は、君と詩を愛する少数の人々だけのものにとどまり、そこから外に出ることはない。外に出したいと、詩を知らない一般の「人々」の手に自らの詩を届かせようと願い努力しても、相変らず君はただの「人」でしかなく、君の詩と君の詩人としての個性は宙に浮いたままだ。
君は何に
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