世界の終わりについて/大覚アキラ
 
 一月の休耕田を、妹とふたり手をつないで歩いていた。

 灰色に塗り潰された空からは今にも雨かみぞれが落ちてきそうで、どこか雨宿りができそうな場所を求めて、ぼくたちは黙りこんで歩き続けていた。とはいうものの、すでにぼくたちは頭のてっぺんから爪先まで泥水にまみれていたのだ。いっそのこと雨が降ってくれたほうが、身体中の泥水を洗い流してきれいにしてくれるのだろうということはわかってはいたが、これ以上寒い思いをしたくはなかったのだ。


 小学二年生の冬休み、ぼくはクリスマスに買ってもらったばかりの自転車の後ろに妹を乗せ、とにかく遠くに行ってみることにしたのだ。目的地などあるはずもない。ただ、真
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