■共同連詩■ 六時間目のモノローグ 〜はいすくーる白書〜/Rin K
素通りする、友の話
ふざけあう視線
机の上に、飾りのように広げた教科書
意識を僕に戻したら
なんとなくページがめくれないように
押さえていた指先の下で
せき止められていた放物線、が
やっとの思いで息を継ぐ
そう、僕は数学がニガテだ
あいつの声が
わずかに大きくなった気がした
そのことでもなく
僕でもなく
あて先定めず噴出てしまった
ため息笑い
に、あのコがこっそり気がついて
振り向いてくれたら、なんて
憧れる
諦める
そこには式は成り立たず
また「解なし」のままで
今日も流れてゆくのだろう
ああ
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