独身者のエレジー/んなこたーない
 
        わが身の上は、われを娶りしとき、われに指輪を与えし者ぞ知る。


かなしいドラマのためのHarbor View
窓辺に凭れて、しずかに花びらをねじっている
振り返ると
「忘れていらっしゃるとばかり思っていたのに」と女は言った
(いまどきの17歳の少年少女の性欲を、はたしてぼくらは理解できるか?)

冗談じゃねえよ
ある日、ぼくは後楽園ホールの観客席に座り、生ぬるいビールを飲みながら、
リング上のボクサーたちの引締まった臀部を凝視していた
ああ、この星は絶望的なほど愛に蝕まれている!
あいつは泥酔のあげくに首をくくって自殺した
あの娘は19歳で結婚して、い
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