濾波/ねなぎ
焦点距離の調整よりも
認識の構成を
再検討した方が良い
感情は信号では無い
どこかで音が鳴った
静けさを切って
机の乾いた音が響き
揉み合う息遣いと
争いの声
見せなさいとの
甲高い音
鉄臭い匂いがして
シャーペンが飛んで
床に転がった
手を掴まれて開かされていた
その時に
声を失ったのだろう
眼鏡に脇を引きづられ
斜めに空席が出来た
消したくても消えずに
目の前が赤くなる気がした
止まらない考えと
リップルで
音が冷えた胃を
掴んで掻き回して
吐き気がした
どうしても外乱が入力され
椅子に寄りかかり
目を瞑っても
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