或風景/深散
 
みな踊る
雨のなか
呼声
応えて倒れる
白い土
赤い空
落ちてくる夢
滑車が勢い込んで海辺にすべる
ああ、またこの場所
既視感は嘘でなく
本当にみた
いつでも氷とともに
惹かれてただついて歩く
血がにじみ
やがて弾ける
死んだものばかりが笑う
夕暮れが黄色く
まだ初夏間もないのに
雀が誘う
色が変わる明け方の頃
ちりばめ終えて死んでいくひかり
差し込まれた鋼色の板
しゅっと威勢良く
重々しくぼたぼた落ちる
しんでいく
死んでたちまち黒くなる
酸素が多いんだ、酸素が
錆びてしまった流れていたも
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