一度きりのプラネタリウム/円谷一
僕は何度も星の詩を書いたけれどまだ書き切れていないんだ
僕に羽があったなら君の元へと飛んでいくのに
けどそんなの無理だから夢の中で君と一度だけ見たプラネタリウムを見て涙を流していたんだ
そのプラネタリウムは閉館になって 僕は本物の夜空を見るようになった 一人で雪原に寝転がってさ 君と指さした星座を見つけて思い出すんだ
僕は大塚愛の「プラネタリウム」を聴きながら満天の星空を瞼で閉じ込めて 自分が何者でも無いような気分になる そして雪原と同化して宇宙と同化するんだ 星が僕の周りを飛んでいるよ 浮いている星を捕まえるととても暖かい爆発を起こして消えていくんだ アスファルトに溜まった水溜
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