空中の 地上の ものたち/モーヌ。
静かに まぼろしの つばさを 夢に 見ながら
進化を 遂げた 鳥の ような みんなは
目に なみだが たまる くらいに
空の 高みで 呼吸が 苦しくなるときが あった
もう みんなは みんなで 帰れない のだ
ふるさと星の 半島の つけ根の 砂洲を 見ると
なんだか 赤く 燃えた 小さな 火が
ちょこまか 動いて いる
名乗り あわなかった けれど あれは あの へんてこだ...
ひとり ひとりの みんなは おもった
へんてこに 手紙を 書かなくっては... ありがとうって...
しかし だれも すぐに 雑多に まぎれて 忘れて しまう
グスターフに ひとつも 手紙は 届かなかった
昼も 夜も グスターフは 気が つくと
砂洲原を トコトコ 助走して 駆け回って いた
きょうこそは 飛んで 見せると 信じ ながら
恩寵の 炎の リングが 頭で 燃えているのを 知らないで
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