歩/さち
 
商店街で見かけた女の子
オムツで丸いお尻を振りながら
パパに手を引かれて歩く

ただ
歩くことの夢中
自分の足が
交互に前に出てくることの不思議
パパに手を引かれていることの
無意識

転ばないように
バランスをとって
大きな楽しみの実感



ただ
歩くことの夢中

僕もきっと
ああやって歩き始めた
今は
無意識で
ただの手段だけれど

僕もきっと
あんなに一生懸命だった
自分で生きる
第一歩
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