地上の天使/かえで
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窓からの景色は僕の心をなおさら病ませる
目障りな景色を遮断して雨の音を聞きながら部屋の隅でうずくまる
この気まぐれな世界のどこかに僕を救ってくれる誰かがいるのなら
僕は迷わずそこまで走っていきたい
夕方の湿気の中で舞う悲しみの粒は僕らに何を語っているのだろう
この広大な訴えにも気付かず人々は雨を嫌う
空の涙と僕の涙は合致してその時少し疎外感から解放された
ヤミに降る雨は降りそそいだままやむことを知らない
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気付かないうちに僕らは羽をちぎってちぎって
そして飛ぶことさえ記憶の彼方へ投げやった
蝕まれた羽など僕はもう忘れたい
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