カラメル岬にて/楢山孝介
 

カラメル岬に家を建てて住んでいる
からまる君のもとに
こんがり山からとんがり君が逃げ出してきた
住んでいた山が焼けてしまったのだと
黒焦げになってもう帰れないのだと訴えてきた
からまる君はとんがり君の話を聞いて
しばらくはうちに置いてやると請け合った
ただしばらくしたら出て行け、と突き放しもした
とんがり君はありがとうありがとうと言って感謝した
君だけはいつまでも変わらない友達だと泣いて喜んだ
だけどからまる君にとっては
とんがり君の涙などどうでも良かった
昔の知り合いだった気はするが
実はあまりよく覚えていなかった
何か盗みそうな素振りでも見せたら
ぶん殴って殺
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