悲しみと月とあなた/プル式
 
ここから先には
いったい何があるのだろう
手にした意志は
どこに向かおうと言うのだろう
顔をお上げ
その目を奪ってあげよう
声をお出し
意味も無く笑ってあげよう
心をお見せ
黒く塗りつぶしてあげよう


天国の子供たちよ
泣くのをおやめ
いたずらに悲しむものじゃ無いよ
いたずらに笑うものでも無いが


僕らが生まれた時代に
僕らは生きてなどいないのだから
生まれる時間も場所も


まぶたを閉じて
鼓動の波に呼吸を乗せて
明日生まれる命に
月がゆりかごになりますように


手にした石は
どこに投げられるのだろう
また小さな声が消えていく
[次のページ]
戻る   Point(1)