星空/円谷一
 
う真っ赤に染まっていて 取り返しのつかないような状況になっていた テラスの椅子に座ってぞくぞくと帰ってくる自前の船を持つ人間や何の為に海に出ていたのか分からない船をパスタが来るまでじっと見つめていた 海はもう飽きた 自前の船ももう売ろうと考えていたところだった
 潮風に吹かれながら食べる食事は最高と言えば最高だった 腹が空いていたし ここのパスタが美味しかったからだ 僕はパスタが来る前からゴッホの「夜のカフェテラス」を思い出していた 絵は下手くそに見えるけど 絵を見る才能のある人には偉大な絵画に見えるのだろう とにかく僕はあの絵からはただ幻想的だなと感じただけだった 今はアルコールが入っているせ
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