ブルーバス/
虹村 凌
なかった
禁煙マークを焦がしたのがこの煙草だった事にも気付かなかった
バスはとっくに止まって運転手さんも降りていた事にも気付かなかった
百円玉でぬくもりが買える自動販売機があった
何時も飲んでいる珈琲は置いてなかった
壊そうとしたら既に壊れていた
百円玉を置いて錆びた缶コーヒーをひとつ
これからどれくらいかかるかわからないけれど
いろいろなことをおもいだしながら
いえにかえろうとおもいます
バスは妊娠した少女を轢き殺して
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