海の児のうた/モーヌ。
 



半ば くらい世界を 見たよ... と

おもい あがった 少年

トマは 12歳

素もぐりで もぐっては

金の さかなや 銀の 貝を すなどった

伸び あがった 岩礁の トマは

海の いろが 一様では なく

たくさんの まだら いろを して

一律では ない ことを

知った と おもって いた





アンファン・ド・ラ・メール

詩人の 吸う パイプたばこの ような

少年 だった 潮風の トマは

箱庭の 学校の プールが 好きじゃない

夏やすみ...

ともだち なんか いないのに

トマが 
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