伽羅の焼香/アハウ
 
す事は
至難の技だった
何故って
彼らは絶望のなか
ナチスを呪い 自らの生命も呪ったから
聖人でさえもアウシュビッツで自らの境遇に感謝できまい

限界状況のなかでも 死を前にして
この生きていた世に感謝できれば
満月の夜に天界へと帰れるのだが

戦争はこの世の地獄
最後の息をつく時
「この生はなんなのだ」と絶望のなか息を引き取る
その瞬間に業火の地獄門がぱっくり口を開けるのだ

戦争はいけない
今生 あの世 来世まで 傷つける

祈っています
また あの晴天の暑い夏の日が やって来ます

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