コンティニューム/美砂
靴をぬぎすてて
乾いた道を疲れるまで
進んできた
僕は裸足が好きだ。
裸足で土を踏みしめるのが
好きだ。
ときどきうめき声をあげさせられる、
そのふいの痛みが、なにか重大なことのレッスンのようで
好きだ。
立ち止まって、息を吸い、
海をみる
砂浜はすっかりなくなってしまったが
波は変わらず、汚れても変わらず
幼い日の海水浴
僕はあのころから、岸とは反対の方角に惹かれた
両親の規制をふりほどこうともがき
境界線としてはりめぐらされたロープにつかまって、
その先の海の色の薄気味悪さと、永遠に続く海原を
見飽きることなどなかった
なぜ、みな岸へかえるの、なぜ
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