職業としての詩人/和泉 輪
べていたことがあったのだが、その過程において非常に驚くべき記事を発見した。トルコでは一般家庭、友人同士の集まり、街の喫茶店、会社の休憩時間などで詩の朗読が日常的に行われ、もちろんそれを行っているのは詩人などではなく一般人であるというのだ。毎朝の新聞には日替わりで詩が掲載され、気に入った詩があるとそれを切り抜き友人たちの前で朗読するという。さらにその本が書かれた当時(2002)のトルコの首相エジェビット氏は詩人で、テレビでは彼の詩がよく紹介されていたというのだ。
もちろん日本と比べて国民性や国の状況などに根源的な差異があることは想像に難くない。しかし果たして それだけの理由でこの現象を、そして
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