街灯/水町綜助
街灯で
ところどころ熱病だ
この道では
駐車場まで
浮かされて
君 という名前を僕しか知らなくて
僕の名前も君しか知らないだろう
それが夜の景色の中で
電柱の隙間で影を重ねている
街灯のあかりに
なぎ倒されて
眠りたいと
僕だけ思って
君は
水滴がふるえている
君は
青い葉がふるえている
かつて
晴れすぎた秋に
落葉に敷き詰められた
駐車場で
失うために
だきしめた
僕たちの歯はいま
かちかちと鳴ってそして
風景の車がはしりぬける 赤い尾をひいて
昼だろうと
夜だろうと
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