二〇〇四年週間激写ボーイ九月号/土田
くすぐる。ねっとりと得体の知れない何かが手につく。雲雀料理を貪る。蛇のようなあそびをする。その手があまい菓子になる。ぼくは決して都会を愛さない。ふらんすを愛さない。そう、図書館裏側の稲刈りを終えた田園の上で、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、てふ、と、ああ、気持ちいい、気持ち悪い、嘔吐臭が充満している。おるがんの音がする。かなしい女の匂いがする。陰鬱なのか?いや躁鬱だ。コマ送りになる。描写も感情も匂いもすべて。増す。さらに増す。速く。もっと速く。そして止まった。いつの間にか点いていた図書館の蛍光灯がすべて消え、かすかに遠くで光る馬鹿でかく型の古いワープロが、制服を肌蹴た裸体に添えるくだらない文章に嫌気をさし、静かに再起動を始めていた。
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